これをQアノン映画と切り捨てる人はあまりに教養が無さすぎる。
そもそも映画が製作されたのは2018年。Qアノンをはじめとする陰謀論は2019-2020年頃と比べまださほど盛り上がりを見せていなかった。
次に主人公であるTim Ballardが朝帰宅すると子供の人数がやけに多い。それもそのはず、彼はモルモン教徒(ユタ州在住) であり、そのバックグラウンドを理解した上で本編を見ると多用される「神」という単語も納得が行く。
最後に、子供の人身売買目的の誘拐に関して。日本ではあまり身近な話では無いのでただの陰謀論にしか聞こえないかもしれないが、南米出身の友人がいれば「それは決して誇張では無い」ということがすぐ理解出来る。
また、性的目的での人身売買の話は(被害者の年齢はともかく)当地近隣でも逮捕されニュースになる。空港の女性用トイレ、全ての個室の中に「あなたがもし人身売買の被害者なら今すぐここに電話してください」という掲示が複数言語で書かれ貼ってある(紙ではなくプラスチック製の板に印字されネジ止めされているしっかりしたもの)。初めてこの看板を見た時の衝撃は今でも忘れない。
小児性愛者の摘発もニュースになる。カリフォルニア州で性犯罪により逮捕された場合、足首にDPSが装着され、装着された人の住所年齢顔写真前科内容は誰でもトラッキング出来る。
このような理由から自分は全くもって「陰謀論」とは思わないし、思えない。この映画を陰謀論だと鼻で笑う人はあまりにアメリカに疎い。
但し、Tim Ballard氏が陰謀論に傾倒気味の人物であることと、色々問題を起こしているのは事実。
4日前にも地元局のニュースになっていた(自身がファウンダーだったNPOでの問題に関するもの)
この映画のストーリーベースが事実だというだけで、実話では無い。
そこは決して忘れてはいけない。
参考までに本日2024年7月2日のニュース記事を添付しておきます。
米国連邦保安局(US Marshals Service)とその他法執行機関による5月20日-6月24日までの合同作戦で、行方不明の子供約200人を救出。救出された中には性的人身売買の被害者も含まれる。
https://www.usatoday.com/story/news/nation/2024/07/02/us-marshals-missing-children-recovery-2024/74279915007/
これが現実です。