一度は妄想したことがある子供を卵で産めたらどうだろう?というのに近い、卵形ポッドでの妊娠出産の形。
これにより、仕事を持つ女性は痛みや困難から解放され、出産によるブランクが発生することなく、そのまま仕事を続けられるという。画期的なテクノロジー。
…のように見えるが実際どうなのか…と。
まずエミリア・クラークとキウェテル・イジョフォーが演じる夫婦が対照的。妻レイチェルはtech系企業で昇進を目指す社員なので、会社がこのポッドの利用を援助してくれるし昇進と出産を両方望む彼女にとっては最適なプラン。
一方の夫アルヴィンは植物学者で自然の流れを望みテクノロジーの介入を好まない。
SFスリラーになるのでは?とも考えたが、この夫婦がポッドを使った出産にどう向き合うか…というドラマがメインで、お互いを思う気持ちが優先したというのは良かった。
しかし、他の利用者の発言は良からぬ出来事を予感させるし、女性の社会進出や昇進を表面的にサポートするだけの企業のイメージ戦略にポッドを利用したようにも見えるし。そして何よりあのポッドを開発したペガサスはこの先どんなテクノロジーを開発していくのか…と考えると、彼らが掲げる未来にはもはや人間や生物の営みはほとんど消えていくのかも?とすら思えてくる。
近い将来に起こり得るかもしれない出産のありかたを考えさせられるが、背後で大企業の腹黒さや恐ろしさも感じる映画だった。
個人的にはもっといろいろ詳細を詰めたらこのシステムはアリじゃないかと思う。
ただ、劇中にもあったように枠が少なく費用がきっと高額だから富裕層と運のいい一部の人しか体験できないんだろうとも思う。
ミッドクレジットで「あの人」が恐ろしいことを言い放つので、エンドロール始まっても退出しないように。
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