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ポッド・ジェネレーションのレントのネタバレレビュー・内容・結末

ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

程よい共存関係。

完全な男女平等が実現したであろう近未来。働く女性にとって唯一のハンディだった妊娠出産を子宮センターが管理する卵型ポッドが担えるようになった。

キャリアウーマン(死語)のレイチェルは幸運にも子宮センターを利用できることとなるが、自然な妊娠出産が理想的と考える植物学者の夫とは意見が合わない。
渋々、ポッドの利用を許した夫、だがポッドと暮らすうちに彼の方がのめりこんでゆく。身ごもることができない男性ゆえにポッドとともにいることで胎児との時間をいとおしく感じることができた。自然派だった彼が毛嫌いしていた科学技術を受け入れた形になった。逆にレイチェルの方は妙な夢を見たり、厳しいセンターの規則などに違和感を感じ始める。

出産誘発剤を使ってポッドの返還を迫るセンター側に反目した彼女は返還を拒み自然な出産をするために都会を離れ夫の所有する島の家に渡る。

自然派の夫がポッドにはまり、科学文明にどっぷりはまっていたレイチェルの方が次第に自然な出産を望むようになる。

本作は自然の中で自然に生きることが人間にとって大切だと言いたいのか、でも完全に科学文明を否定はしない。出産時期は自然に任せたいといいながら、出産はポッドで行うわけだし。

便利な科学文明は完全に捨て去ることはできない。だからと言って自然の中で暮らす部分も大切にしたい。
AIが管理する社会は便利だけどすべてをゆだねたくない。人間らしく自立して生きたい。でも便利な技術は利用するけど。
自然か科学文明かどちらか一方に極端に振れるのでなく、ほどよくどちらとも付き合えばいいということなのかな。

地衣類が互いにうまく利用し合う関係のように。
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