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ポッド・ジェネレーションのSJのレビュー・感想・評価

ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)
3.6
AI企業で働くレイチェルと植物学者のアルヴィ夫婦。日常生活やメンタルケアにいたるまでAI化され植物や果物が人工で作られる近未来で、将来を考えていた真逆の職業の夫婦が子宮センターでの人工受精、そして産まれるまでポッドの中で育てるという子供の授かり方に口論したり、受け入れたり、そして産まれるまでの話。

ポッドでの成長をアプリで確認し、栄養成分をポッドに流し込む。
男の子を望まないならY染色体が必須ではないので男性は一切関与しなくても子供を作れる。ここまでくると世にも奇妙な物語みたいになってくる。
けれど、女性のキャリアや年齢、心身や様々な問題を考慮すると妊婦生活と出産を経験せず子供を望むことは一概に悪いとは言えないし、実際植物学者の夫はほぼ家で植物をいじり、生活は妻の収入に頼っている。

ただ性別の偏りで生物としての生態系を壊すという意味ではどうなのか、考えるときりがない。興味深いテーマの作品だった。

子宮センターの前でフェミニストがデモをしているスローガンが『われわれの子宮に手出しをするな!』なのが斜め上の発想で難癖をつけるフェミニストへの皮肉で笑った。妊娠出産という女性だけの負担を減らしキャリアも守られるからむしろ賛成では?
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