テクノロジーに支配される環境下で、AIが準人間的存在として生活の不可欠なパートを担うなか、キウェテルとエミリーが共に温かみを感じる俳優さんなので、クールになり過ぎず、一見夢物語的なストーリーにある種の信憑性を与えていたような気がする。
なんたって、私が最後に見たキウェテルは、死体を入れる穴を掘っていたけど、この作品では、いずれ生れ出る命の塊のことを心配してオロオロしながら、生命の象徴であるオリーブの樹を植える穴を掘っていたから、なんとも平和なことで。
鳥が抱卵するみたいに、受精卵を体温の環境に入れて人工的に育てるシステム、不可能じゃないかも、なんて思ってしまった。
現状、女性が４大や院を出て10年経験を積む、仕事の上でのりにのってる頃、正常に自然妊娠出来る限界に近づいてしまうのだから、これはエミリーのようなキャリア女性の夢だろうし、妊娠したくても出来ない男性にとっても、抱卵？の疑似体験が出来るのだから、歓迎される向きもあるかもしれない。
タイトルバックに出てきた「いつか赤ん坊が親を選ぶ時代が来るかもしれない」というCEOの発言も良かった。
