HiromiA

ラ・メゾン 小説家と娼婦のHiromiAのレビュー・感想・評価

ラ・メゾン 小説家と娼婦(2022年製作の映画)
3.4
変わった顧客を描写するだけで、娼婦側の描写は待機場所での娼婦同士の会話や女主人との会話ぐらいで、娼婦の心理の探求ができていたとは思えなかった。有料で不特定の人と性行為を行うお仕事は、職業として現在の日本では許されてはいない。しかし裏のほうではいろいろあるらしい。性行為の対価を受け取る仕事を売春と呼ぶなら、売春が合法化されている国でも、売春行為が裏で行われることによる危険性(感染症や身体的損壊のほかに金銭の流れなど)をコントロールするためであろうと思われる。なぜ身体を売るのかは、一般的には借金などの弱みから嫌々行っている印象が強いけど、人それぞれなので必ずしも嫌々ではない人たちもいるのでしょう。そういった娼婦側の様々な事情とかそれぞれが売春に対してどう思っているのか、おそらくはそういったことを書きたくて娼婦として娼館に潜入したはずなのに、あまりにも娼館の居心地がよく売春行為の罪悪感がなく、自分自身の居場所と認識してしまったことからはまってしまった主人公を描くことになったということなのかな。ということで、娼婦の本音とか裏の事情とかが描かれるわけではなく、そういう意味ではちょっと期待外れでした。
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