伍代圭佑

ラ・メゾン 小説家と娼婦の伍代圭佑のレビュー・感想・評価

ラ・メゾン 小説家と娼婦(2022年製作の映画)
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アニッサ・ボンヌフォン監督『La Maison ラ・メゾン 小説家と娼婦』。
若い女性作家が、書こうとする小説のために高級娼館の娼婦となる。
実話だそうですが、けっこうありふれた話。
それがどうしたの? という気が最初から最後まで離れず残念でした。
ところで映画から離れますが、19世紀フランス文学の自然主義小説、ゾラの作品などをかつて読みましたが、パリの娼館が社会のなかでどのような機能を果たしていたかについての知識は当時は全くないままでした。
最近になってようやく、鹿島茂さんの諸著作によって「ああ、そういうものだったのか」と腑に落ちた次第。
鹿島さんの諸著作によって、初めてゾラとかフランスのプロスティテュートを描いた作品の背景がわかりました。
大学の仏文科でそういう講義、今はあるのでしょうか。
江戸吉原の町とか仕組みがわからないと、そういう作品や古典芸能はわからないのに。
伍代圭佑

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