巨大権力に立ち向かった女性の実録サスペンス。
国家的陰謀を知り労働雇用を守る正義感から真っ向挑んだ勝負の結果、数々の嫌がらせと暴行事件、女性蔑視もチラつかせ権力に楯突くと酷い目に遭う現実を知らしめる。
未だ見つからない暴行事件の犯人、それもそのはず犯人は国家権力による工作だから・・・そう解釈する方が自作自演よりも遥かに真実味を持って聞こえる。
これが創作ではなく実話というところに世の不条理を感じ空恐ろしくなった。
そして1人の叫びでは流れを止められない無力感も感じた。
映画としてはサスペンスに富んでおり、どんどん泥沼にハマっていく様子から目が離せなく面白かった。
元々キツイ顔立ちのイザベル・ユペールは的役で彼女の演技がストーリーを引っ張り見応えあった。
日本でも間違いを追及して暴力に遭う事件があり、厄介事に巻き込まれたくない故の “ことなかれ主義” が正しいとされる社会に疑問を投げかけるようなモーリーンの最後の眼差しが印象に残った。
余談
革命思想で国家権力に立ち向かった若者の死を謳った昭和歌謡のヒット曲「ハチのムサシは死んだのさ」を思い出した。
長いものには巻かれた方が楽だけどね(笑)
監督 ジャン=ポール・サロメ
キャスト
イザベル・ユペール
グレゴリー・ガドゥボワ
フランソワ=グザヴィエ・
ピエール・ドゥラドンシャン
アレクサンドラ・マリア・ララ
ジル・コーエン
マリナ・フォイス
イヴァン・アタル