KeiRalph

シン・ちむどんどんのKeiRalphのレビュー・感想・評価

シン・ちむどんどん(2023年製作の映画)
3.9
センキョナンデスに続く第二弾。前回は香川、大阪選挙区を巡る構成でしたが、今回は沖縄知事選。なのですが、選挙活動の暑さやズンドコさだけで終わらず、中盤以降は沖縄に長らく横たわり続ける基地問題へ。基地問題にNOを突きつける意見が大半の県民性を見越して、現職に対抗する与党推薦はフライング発言が多くて与党内との連携図れず、応援演説は「ドリル優子」のみ、もう一人の無所属候補者は汚職で維新を除名され、全身オレンジでイメージ一新を図るべく、夥しい花々を集めて街宣車を埋め尽くす狂気のパフォーマンス…現職以外泡沫候補ばかりというのも、沖縄の民意を問うよりアメリカ主権にたなびく方が得策、とでも言いたげな熱意のなさが伺えます。

改めて、沖縄については単なる地方自治体では無く、日本という国のあり方の縮図であると感じました。

タイトル通り、各候補者に連続テレビ小説の「ちむどんどん」を見てるか、見てないか(候補者全員が好きな番組に挙げている)の回答に、真の沖縄への向き合い方を見出す鹿島氏の見立てはさすが!と思うばかり。

ダース氏のラップに、座り込みを続けるオール沖縄の人々が返すアンサーソングは、60年代フォークの様な歌詞とメロディ。もはや私も若い世代では無いですが、一定の世代からの叫びだけでなく、それを嘲笑う様なツイートに「いいね」する2.7万人の意識を変える術があれば…と感じます。
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