tak

変な家のtakのネタバレレビュー・内容・結末

変な家(2024年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

仕事がら、建物の平面図を眺めながらあーだこーだ言うことが多い。ミステリー小説読みながら、相関関係や部屋の位置関係をメモしてみたりもする。それだけにこの「変な家」が話題になった時にはちょっと気になって、長男が読んでいたコミカライズを借りて読んだ。カメラ片手にズカズカと入り込んでくる主人公の行動を快くは思わないけれど、だんだんと闇に近づくにつれて、先を知りたいと思わせてくるのは確かに面白い。

ツッコミどころは満載。簡単に人を信じ過ぎだろ、近所のおばちゃんがわざわざ写真撮らないでしょ、不動産屋の管理物件にどうやって入り込んだの。本家ってパワーワード出てきたから金田一耕助ものぽくなるぞ…と思ったら、おじいちゃん石坂浩二やん。仏壇からすきま風、隠し通路、あーあ、「八つ墓村」っぽくなって来たよ。お母ちゃん、隠してるもの簡単に見つかりすぎ。妾にひどい仕打ち…って「犬神家の一族」やん。片渕家の問題なのに村中巻き込む怨念ってどうなんよ。佐藤二朗、どうして本家に上がり込んでるの。そこを離れてから語ろうよ。

だんだんと間取りのミステリーから離れて、本家のパートでは平面図の外側に線を引いて何かあると思うんですよって、話が飛躍。平面図見ながら、何のための空間なのかを読み取るミス・マープルものみたいな感じが好きだったのに、結局旧家の怨念めいた日本映画にありがちな落としどころに収まってしまったのはちと物足りない。本家の人々を駆り立てる呪縛の怖さも、説得力が欲しい。

もともとウケ狙いの動画制作から始まる話なんだから、のぞき見程度の興味だったはずの主人公の行動が、人助けにシフトする気持ちの動きが感じられないのがいちばんの難点かも。これからも僕が守りますって、川栄李奈ちゃんに言ってやれよ、と映画館の暗闇で焦ったく思うおいさんである。

…と不満ばかりを並べてしまった。だが秀逸なのはラストシーン。斉藤由貴のひと言とその視線の先にあるもの。これ、マジもんじゃねぇかよっ!😨
tak

tak