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パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜のmocoのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

今やルイヴィトンなどとコラボする有名パティシェ、ヤジッド•イシュムラエンの感動の実話。

ネグレクトの母のもとに生まれ、児童養護施設出身。唯一の楽しみは里親の家庭的な愛情を受けながら食べるスイーツ。

過酷な環境ゆえ、時には嵌められたり、陥れられたりするが、彼の勤勉で誠実な人柄がまた、良縁にも巡まれ、仕事の同僚、お客、恩師との出逢いに繋がる。
自身の不運を生い立ちだけのせいにせず、ここから脱出しようと何度も自らチャンスを掴み取ろうとする根性、自分で考え行動する姿にこちらも勇気をもらえる。

映画の節々に、『金があると努力を怠る』『北極星と北斗七星で鍋の形に見える、だから野宿も悪くない』など、感慨深いセリフも散りばめられている。

幼少期に母親との愛着形成が乏しいと思春期が荒れ、貧困のスパイラルに陥ることも忠実に描かれているが、彼の場合里親が彼の絶対的な味方であり、愛情を注ぎ続けたからこそ、人生の立て直しに成功した。
産みの親より育ての親とはまさにこのこと。
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