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バーニング 劇場版 4Kのrebのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版 4K(2018年製作の映画)
3.4
昔観た時は、人間味溢れたどちらかと言うと泥臭いイ・チャンドン監督と、カラッとしてメタファー中毒の村上春樹の小説とがどうしても結びつかず、あまりハマらなかった覚えがある。
今回観直してみて、主人公を監督の姿と重なるところがある、20代後半で小説家志望の貧しい青年ジョンスという人物にしたところに共感できた。
彼は自分ではどうにもならない格差の問題や、未来に希望が持てない苛立ちをつのらせていく。
監督は過去のインタビューで「主人公はまだ作家になってはいけないと思いました。どんな物語を書かなければならないのかわかっていない。彼は切迫しながらも無力で、自分のなかで怒りを燃やしているのです」と明かしている。
猫はヘミの家にいたのか?ヘミは殺されてしまったのか?
苦悩の果てにジョンスは小説の題材にたどり着いたのではないだろうか。
ラストのシーンは、彼の小説の中の出来事であってほしいと願う。
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