菩薩

プリシラの菩薩のレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
3.0
あくまでマリー・アントワネットの変奏として。監督名が伏せられていたとしても余裕でソフィア・コッポラやろって分かるくらい署名性に溢れているし、プリンセスストーリーの否定と言う点では現代的かもしれないが、流石に今プレスリーをトキシックアイコンとして持ってくるのも厳しいのではないか。基本的にはガキとガキがイチャコラ→険悪→やっぱイチャコラを繰り返すだけで、いつまでやんねんな…とうんざりしてくる、ただこのうんざりこそが2人の生活と結婚の本質なのだろうし、そこにようやくSEXが介在しようが子供が産まれようが、プリシラがエルビスの世界の中で半軟禁状態にあり着せ替え人形としての人生しか与えられていない現実に変化はない。その中で欲求不満を募らせ自我を拡大させていくプリシラ、それに伴うように髪型だけがどんどんと爆発していくのはちょっと笑った、ベガパンクかよ。このままだったらいつまでだって続いてしまう倦怠と締まりのない話を楽曲の力を借りてねじ伏せるのも非常にらしい。ダイナーでジュースをちゅーちゅーしてたガキんちょがあれよあれよ沢尻エリカみたいになっていくのはグロいし、何より2人の身長差が身の毛もよだつ、そこは上手いなと思った。つくづく有害な男性性は座り方に出る。
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