YutaKoizumi

プリシラのYutaKoizumiのレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
4.5
翻訳はアンゼたかし。
ポップなファッションと美術(特に壁紙)、音楽と軽快な編集で、哀しい話なのにいい後味のソフィアワールド。
衣装はシャネルとヴァレンティノだらけ。
またもや子供と大人の中間の儚い女の子を発掘してきた。
もしソフィアが日本人キャストを探すなら、芦田愛菜ちゃんとか選ぶのかな?と思ったり。

実際のエルヴィスとプリシラは160cmと180cmだが、劇中では155cmと190cmでよりプリシラの少女性が浮き立っている。

ソフィア・コッポラは、遠ざかる様子を主人公目線で撮るシーンが上手だと思った。
『マリー・アントワネット』のヴェルサイユからバスで出て行くシーン然り、グレイスランドでお手伝いさんが遠のくプリシラ視点然り。

孤独な少女には犬と仲良くなったり、少女のバスタブのシーンは、『マリー』然り歴史上の女性を1人の女の子として描く重要な演出。

エルヴィスたちと楽しく遊ぶシーンのフィルム風と、フィルム写真でつなぐ演出はスパイク・ジョーンズの影響か?

1960年代のパンナムの航空券の作り込みにワクワクした。

部屋にこもって2人だけの時間を過ごすのを、ドア前に給仕される食事が出たりなくなったりだけで見せるのは可愛らしかった。

『ELVIS』大ヒールのパーカー大佐は登場せず(今思うと大谷と一平みたいに、スターの近くに入り込むと金を使い込む人はあるあるだと思った)。

『波止場』とマーロン・ブランド、ジェームズ・ディーンに憧れるエルヴィスが、『悪魔をやっつけろ!』のハンフリー・ボガートのセリフを暗唱するシーンは、エルヴィスが『理由なき反抗』の全セリフを暗唱できたエピソードから着想か?

本当の離婚理由はプリシラの不倫らしいが、そこは描かれず。(不倫相手だった空手師範のマイク・ストーンらしき人は登場)
そしてプリシラは大尉の継子だったことも触れられず。

エルヴィスは酒もタバコもあまりやらなかったそうだが、結構喫煙シーンが多かった。
LSDのシーンはサイケでなかなか面白かった。
車や銃を親密になった人にプレゼントする癖は、プリシラに与える描写で拾われていた。

ラスト『I always love you』は『ボディガード』がちらつくが、確かに歌詞の意味は2人にぴったり。劇中はドリー・パートンの原曲版で、実はエルヴィスがカバーしようとしたのにパーカー大佐と揉めてダメになったエピソードがあるらしい!しかも離婚のため法廷を後にした直後、エルヴィスはプリシラにこの曲を歌ったらしい!
吉田拓郎『外は白い雪の夜』であり、『LA LA LAND』の世界。

https://safarilounge.jp/online/culture/detail.php?id=15538&p=4

https://www.vogue.co.jp/article/priscilla-sofia-coppola-interview

https://cinemore.jp/jp/news-feature/3431/article_p1.html

https://www.esquire.com/jp/entertainment/celebrity/g40478791/rare-photos-priscilla-presley/

https://note.com/modern_lotus226/n/nb0657dfe56de
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