精神性は同監督の『ロスト・イン・トランスレーション』とそう変わらない。
男集団にいる時はイキってるくせに、二人きりになると母にそうするように甘えてくる典型的なDV男、エルヴィス。
バズ・ラーマンが描いた英雄エルヴィスとは印象が違うわけだが、従来のエルヴィス像（平たく言って変人）に近いのは本作のほう。
劇中でエルヴィスがビートルズを恐れていたように、挿入歌はブリティッシュ・インヴェイジョンを避けたものになっている。
かくあるべきタイミングでフィル・スペクターとかサント＆ジョニーの曲がかかる（冒頭のラモーンズ版「Baby, I Love You」が最高）。
というわけで、挿入歌が自分好みで前半かなり楽しめたのだが、後半何も起きなさすぎて退屈してしまった。
