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トレインスポッティングのfmのネタバレレビュー・内容・結末

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

若き日のダニー・ボイルが「90年代英国式ハードボイルド」みたいなものを構築しようとして、奮闘した作品。
ブリットポップで例えるなら、オアシスの暮らしぶりをブラーが描写した映画とでもいうべきか。

イギーの「Lust For Life」がかかる中で街を爆走するシーンは痛快だし、ケリー・マクドナルドは美しいし、画面のルックには一定のクオリティがある。
しかし、これはダニー・ボイルの性質によるものなのか不明だが、ずっと「仏作って魂入れず」的な空虚さが漂っている。
今のA24に通じる、薄いんだか濃いんだかよくわからないノリ。
「イギーをやたら持ち上げているのに、ボウイをディスるとは」とも思う(実際に90年代のボウイは軽視されていた節はあるが)。

とはいえ、主人公が決意を固めてアンダーワールドの「Born Slippy」がかかるシーンが最高なので、「ああ、やはり本作は90年代のマスターピースなのだな」とわからされてしまった。
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