プレコップ

クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンドのプレコップのレビュー・感想・評価

3.8
アメリカの旅一座、ヨーロッパへ行く。

近年発掘され、アルバムリリースもされたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルによる1970年ロンドン・ロイヤルアルバートホールでのライブを記録した映像作品。冒頭はバンドの歩んだ歴史をジェフ・ブリッジスのナレーションと共に振り返っていく。CCRの歴史はあまり知らなかったので普通に興味深かったが、クラシックロックをあまり知らないような人にまで伝わる出来かと言われると、微妙ではある。ただ、当時のライブ映像をはじめとした記録映像はふんだんに使われており、特に比較対象として大きく取り上げられたビートルズの映像が見られるのは贅沢だった。この点は、ただの静止画スライドショーに終わらせない志があって良かった。

正直、ちょっと長め(35分程度)のドキュメンタリーパートのあとに来るのが本編となるロイヤルアルバートホールでのライブ!ここは1曲目に本作のタイトルにもなっている「Travelin’ Band」を持ってきたのがアツい。シンプルなステージ構成から繰り出されるパワーは計り知れず、ジョン・フォガッティのボーカルもノっている。「Fortunate Son」は終盤のジャムが最高。これを映像で観られるだけでも鑑賞の価値がある。ラストの「Keep On Chooglin」はそのジャム感が度を超えていて、最前列の女性(このライブの功労者)以外の客は若干引いてる気がするが、15分もスタンディングオベーションが起こるほど圧倒されているのが伝わる。

エンドロールで尺配分をミスったのか、「Who’ll Stop the Rain」が中途半端なところでフェードするのはすこし萎える。
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