狂気の映画作家・アロノフスキーによるドラッギーホラー
「痩せない痩せない痩せないよ
そんな目標果たせないよ
痩せない痩せない痩せないよ
そんだけ食べてりゃ痩せないよ……」
なサラへの誘惑がジワジワ近づく前半が面白い。アロノフスキーによるヒップホップモンタージュはオシャレかつコメディでもあって、引き込まれる。
一度はなにもかもが上手くいっていたものが崩れ落ちていくというシンプルなストーリーながら、その堕落がどれも人間としての尊厳を失っているレベルなので目を離せない。とはいえ、そうなった原因は明らかだし、堕落加減はともかく行き着く先に意外性は特にないので別に鬱映画ではなかった。というか、観てるこっちも腕が痛くなる系映画でした。
ところで、サラが見る幻覚になにか既視感があると思ったら、2011年版「くまのプーさん」でプーさんのハチミツ禁断症状による幻覚のシーンだった。
このレビューの頭に書いた歌詞通り、鑑賞中は電気グルーヴ「スネークフィンガー」が脳内再生していた。後半は同曲の「地獄、地獄、地獄…」の部分が再生されました。