maruco

月のmarucoのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.1
タイトルの「月🌙」、
シンプルで心地好いと感じました。


元女流作家を堂島洋子(宮沢)
その夫を昌平(オダギリ)
堂島洋子はあることを契機に断筆。
洋子は新しい職場の同僚、
陽子(二階堂)そして、
さとくん(磯村)と徐々に言葉を
交わす仲になってゆく。

或夜の堂島洋子昌平宅での飲み会。
この四人が一堂に介する。
この時の四人の会話のギクシャク感と不愉快極まりない語り口に気分が悪くなる。
ことにうら若き陽子とさとくんの
ひとかけらの思い遣りもない言葉に私なら堪えられないと思った。

殊に酒の勢いも手伝ったのか、
この時の陽子(二階堂)が
堂島洋子に発した言葉は悪魔のようで私は心から彼女に憎悪を抱いた。
決して赦さない。

そして本作には
堂島洋子と生年月日が全く同一の
重い重い障害を持つ、
哀しみの″きいちやん″がいる。
そして更には施設の、
前述の同僚の陽子(二階堂)は
堂島洋子と文字こそ異なるが、
同じ名前であること「ようこ」…、
そればかりか、
この陽子の夢は洋子と同じ、
作家になることだった…、

そこであまりにも偶然の成り立ち
に私は少し戸惑いの気持ちが
頭をもたげた。
本作は実際の事件を題材に映画化したと言う。
この3つのエピソードも、
事実であったのだろうか…、

そして私は、
この昌平洋子の夫婦としての
有りように水臭さを感じる。
所々で違和感を感じる。

あんた達ほんまにそれでも、
夫婦なんか⁉と問うてみたい。

二人の二度と逢えない愛し児、
一粒ダネの愛息しょうちゃんを失った哀しみはやはり二人にしか理解り合えないであろう。
ならば何故、
その二人がお互いがもっと赤裸々に語り合いぶつかり合わないのか…、

一晩中でも二晩中でも、否否、
生涯であろうと、
夫婦二人で泣き明かしても良いではないかと思う。

お互いが悲しむたびに謝る、
「ごめんね、ごめんなさい、」
えッ、えぇッ?
謝る??何で?
なんで謝らんとあかんのん?
私にはこれが全くサッパリ、
理解らない。
芝居がかってて、
はっきり言うてとても気色悪い。

そして、
我が愛しの妻を師匠と呼ぶ、
昌平の男としての感性にも
理解できない。
そしてなにより、
宮沢扮する洋子は師匠と言えるタイプには見えづらい。
 
最期に、
見て見ぬ振りをされ、
臭いものに蓋をされ、
下衆のごくつぶしから、暇つぶしに
えげつない拷問のおもちゃにされ、
独居房に監禁拉致されていた
罪無き人々。

本当にお気の毒な生涯を生きられたと思います。
当時の犠牲者となられた皆様方には心より哀悼の意を表します。
本当にお可哀相でした。


我が身のささやかな良心に、
汎ゆるものの気付きと、そして
人は皆少なからず心に闇を、
抱えていることを知りました。

そして、
万死に値する者どもよ、
私は生涯、心に留め置こう。

必ずや

マタアワシテクダサイ
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