数年前、重度障害者施設で実際に起きた事件がモチーフ。映画という疑似体験でこんなに自分の価値観が揺さぶられたのは初めて。
途中で逃げ出せない映画館で見て正解だったし、帰り道はしばらく心がフワフワした感覚で落ち着かなかった。不穏な扇風機の音とサクッというあの音はしばらく引きずりそう…
宮沢りえ＆二階堂ふみが演じるWようこと一緒に、さとくんにどんどん追い詰められていき…偽善に満ちた自分の考えを晒されていく感がいたたまれなかった。
この作品で確実に磯村勇斗の評価は上がるだろうし（どうかヒース・レジャーにはならないで💦）、子供を亡くした経験を持つオダギリジョーの覚悟はいかほどだったのだろうか。。。さとくんの彼女役の子とか板谷由夏もよかった。
結局この映画を見ても私は当事者にはなれない。他人事のままであることには変わりない。でも「社会の暗部から、現実から目をそらすな」と訴えかけてくるこの作品を観たことには十分価値があった。
唯一の救いは、オダジョー演じる昌平の存在。妻の洋子を守るべくさとくんと対峙して、言い慣れてない啖呵を切るシーンはすごくよかった。堂島夫婦の未来が明るくあることを願うばかり…
