このレビューはネタバレを含みます
小説とは全く異なる重みがある
小説は、五感を持たない人間にとっての社会を擬似体験させるような内容で、ファンタジーぽい感じ
映画は史実に寄せてたし、ずっと健常者側の視点だった
だからこそ、無知かつ無関係でいることを許されている私より、入所者を手にかけた殺人者の方がよっぽど覚悟のある人間だと嫌でも理解させられる
今日もどこかで、糞尿をかけられ、暴力をふるわれ、叫ばれたりしながら、私より低いお給料で、意思疎通できない人間のお世話をしている人がいる。
自分の中に湧いてくる「くさい」「キモい」「こいつら人間じゃない」という気持ちに後ろめたさを感じながら
そのことについて、私はどう感じていいか分からない
自分を含めてこの世の人間は全員狂ってると思うんだけど、それに気付いてる人と気付いてない人がいるだけだと思う。
自分はあたかも正気かのように振る舞う奴ほどあぶない
旦那受賞後のお涙ムードを、さとくんがガラス叩き割ってぶったぎる演出よかった。まさに「これが現実です」って感じ
二階堂が酔っ払って宮沢りえに八つ当たりするシーンが、一番この映画が言いたかったことなんじゃないかと思う
「それは善意じゃなくて、善意の皮をかぶった悪意なんじゃないですか」
