ふくふく大福

月のふくふく大福のレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.6
めっちゃ問題作じゃない!?
でも少しでも関心を持ったなら、心が元気なときにぜひ観に行ってほしい作品
重いし長いし体力いる
頭のなかが酸欠、ぐっちゃぐちゃになったけど観てよかった。

私はかつてのきーちゃんの母であるため、
さとくんの正義で裁かれればうちの子も、うちの子の友達のあの子やあの子も人じゃないんだなぁ、とすごく陰鬱な気持ちになってしまったな。

ただ、施設で常日頃介助されてる職員さん達の苦労は本当に計り知れない。
学生だった頃、精神科のICUでタカシロさんに似た患者さんを見たことがあるけど
男の人3人がかりでもめちゃくちゃ大変そうだったのを覚えている。
夜勤しながら手取り17万なんてあまりに酷すぎる。
磯村勇斗さんいつもすごいけど今作は特にすごかった。めちゃ怖かったよ。

出生前診断(特に高齢出産ならなおさら)はひとつの大きな選択だと思うけど、
それでわかる障害なんてほんのひと握りで、生後初めてわかることや後天的に障害を負うことだってある。

石井監督らしくない静けさの中で、石井監督らしい熱さが青い炎のように伝わってくる。
最後の終わり方は個人的にはすごく好き。
解釈は様々であろうが、私には希望を残したラストに思えた。