このレビューはネタバレを含みます
本作は相模原障害者施設殺傷事件を元にしているが、犯行シーンに重点を置き、凄惨さ、残忍さだけを伝えるものではなく、さとくんがどこにでもいる青年で、如何にしてさとくんになったのかが描かれていることが重要であり、焦点であると感じた。
この事件を一過性のものではなく、長らく人間社会に根付いている考え方が産んだものであり、全員が目を背けてはいけないと考えなくてはならない。
例えば自分の子どもが産まれるときに、障がいがあることが発覚したら?
その時に産むのを躊躇ってしまうのはこの社会のせいなのではないかと考えると、変わらなくてはいけないと思う。
入所者に対する扱いは目を覆いたくなるシーンが多いが、全て監督が見聞きしたものだと知り、言葉を失った。
ただ、センセーショナルにしていない所に監督の力量を感じた。