hiromi

月のhiromiのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
5.0
(投稿中…)

すごい映画に出会ってしまった。

12/11
あれからずっと考えている。

12/12
世の中綺麗事ばかりじゃない。
みえている、というか、みえているような気になっているものと、本当にそこにあるものとの乖離。

磯村くん演じるサトくんが「〇〇ですよね、わかります」と、物事を自己の物差しで勝手に解釈してわかったようなことを言うシーンが、印象的。でもみんな、そうだね、なんで当たり障りのない答えを返す。本当はそうじゃないのに。そしてさとくんは、最終的にその自分の中で出した答えを正しいものと思い込み、犯行に及ぶ。みんな同じ考えだ、と。
正しさの中に潜む狂気。

「映画」という映像を通して伝えられるもの。
映像では伝わらない温度や臭いを脳内で補完し、嗅覚を刺激され、感じないはずの臭いを感じるようになってからのラスト…

本当にそこにあるもの。とは。

12/12
サトくんは、「ここでは、サトくんと呼ばれてます」と自己紹介した後は、氏名もどんな境遇かも、全く明かされていない。

12/13
私の心に最初に届いたのは、ヨウコちゃんの言葉だ。いつも自分の気持ちに蓋をして、酔った時にだけ我慢できなくなり本音をもらす。
健常者と呼ばれる人たちの方が、本質を見ていないこと、都合の悪い事は表に出ない事…臭いものには蓋、なんだ。
海辺のカフカにも似たような事が書かれていた。「目を閉じてみて見ないふりをしている間に、物事はもっと悪くなる」みたいな。行動を起こせ、というメッセージだ。
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