うさどん

月のうさどんのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.7
重度障害者施設で実際に起きた事件をベースに、施設とそこで働く人々の中にそれぞれある狂気・曲解・無視・黙殺・反発が、各人の本音・建前が交錯する中で淡々と描かれ、やがて一つの結論?へと導かれていく。
それぞれ気持ちの濃淡や温度差はあるものの、施設で実際に障害者と向き合うスタッフ達の心根が、言葉や行動を通じて描かれ、それは映画として観ている私たちに反射し、当事者として問題提起してくる。
このため、映画を観ながら、投げかけられる意見や主張に内心で同意したり同情したり、反駁、反発したり嫌悪したりと、心を揺さぶられ続けて観ることとなる本作は、やはり重く鋭く心に刺さる。