演出がまじでホラー映画だった。1人で観なきゃよかったと後悔。
"怖い"にもいろんな種類があるのだけれど、私には登場人物全員怖かった。違和感と言った方が正しいかもしれない。
その違和感は"誰でも内側には黒いものがあること"で、
本人も周囲の人も気付いていないことだと思う。
観る前に、監督と磯村さんのインタビュー記事と舞台挨拶の動画をみた。俳優さん一人一人が、普段以上に言葉を選びながら慎重にお話されていた。
"さとくんは誰の中にでもいる"という言葉、さも自分は狂気さを持っていないかのように日々生きている人々。
生きることの本質を見失った人類。
個人的に二階堂ふみさんがいちばん怖かった。(人怖の意味で)たぶんわかりやすく怖さを持っていたんだと思う。
あの事件が元となっているのは、ひとつのとっかかりでしかなく
その視点で映画を観ていくと人間的な表裏一体が上手に表現されているなと思った。(おこがましい言葉かもしれないし、誤解を招く言い方かもしれない。)
ここもうちょっと深掘りしてほしかったなというところはあった。
でもそうなると2時間半に収まらなかったんだと理解する。
この映画は、「みんな言わないけどさ、あるよね?」という黒いものをギュッと詰め込まれていた。
普段見ようともしない”臭いもの"とされいる事柄をまざまざと見せつけられる。
私はもろにくらった。そして、向き合うことを強制される。
あらゆる方面からくらうので、誰にでも観てとは言えない。
でも、もし観る場合は、人と"映画館"で一緒にみてほしい。
一発殴られてはいかがでしょうか?という映画。