まっきりん

月のまっきりんのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
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もう30年も前のことですが、学生時代の資格取得のため京都府の自然の美しいこういった施設で住み込みで10日間だけ実習していました。私から見ても職員の皆さんは入所者にも実習生にも見学に来ていた中学生にも丁寧で優しく、いろいろ教えてくれました。汚く臭いことはさせられたことはありませんでした。私たち実習生に求められていたのは指示はなかったがおそらく昨日も今日も明日も同じ毎日の入所者と一緒に作業をして一緒に楽しくご飯を食べて良い話し相手になることだろうと思っていました。
入所者の皆さんはこれまでも20年30年ずっとそこで暮らしこれからも死ぬまでここに居るのは知っていたけど、彼らには何もわからないから毎日楽しそうでした。
体格も良く若く何もわからない入所者のほうが職員に暴力を振るっていたのをよく見ました。実習生仲間の女子ひとりもフランケンみたいな男の隣に座った食堂で顔面を殴られていました。その様子がおかしくて後で廊下でその女子に大丈夫!?と言いつつ私が吹き出したので、その女子も吹き出して泣きながら笑っていました。私はフランケンの部屋でふたりだけで彼をおちょくって遊んでたときは殴られなかったけど、後で担当職員に聞いたらいつ殴られるかハラハラしていたと言っていたが、早よ言えと思った。
赤いヘッドギアをつけた目の見えない喋れないヨチヨチ歩きの小さなおばあちゃんが1番の人気者だった。
夜の見守り実習では毎日寝る時に勝手に服脱いじゃって絶対全裸だという若い入所者がいて、生理のときなんかもうスゴいのよ〜と職員がケラケラしていたのでなるほどぉ〜想像したらスゴそうと思った。
実習生や地元中学生を受け入れているあたり、風通しよくしているのだと思った。入所者は実習生のことを珍しがってとても喜んでいたし、いたいけな女子中学生をからかって嬉しそうにしていた。
私がおぼえているのは短い実習だったが職員も入所者も楽しそうだった、私も彼らと作業して笑い、同じご飯を食べ生活して楽しかった。
だからとても残念です。