自分が大好きな韓国アクションエンタメ重箱映画でした。リュ・スンワン監督は『ベテラン』が大好きだったので期待値高めで劇場に足を運びましたが、そのハードルを軽く飛び越える痛快さでした。
約半世紀前のレトロな風景で繰り広げられ大人の女性による友情と、全員悪人と言える非道な男たちをぶちのめす痛快さが並走するバランス感覚は韓国エンタメ映画のお家芸が炸裂。エンタメ性の中にある現代的な価値観の溶け込ませ方も韓国映画の隠し味だと思うのですが、一度は断絶した女性たちが再度協力する本作の流れも、女性たちの連帯という着地点に行き着くのも唸らされた。
また、韓国映画といえば無骨なアクション描写。暴力度=ケンカ描写の容赦なさを感じるが、本作はアクション文法上の布石を打った見せ方が抜群に上手く、混戦の中で見せる美しい立ち回りも素晴らしい。
アクション映画の肉弾戦に関しては韓国映画がダントツに面白いと再認識。アクション映画好きにも必見。
あと、韓国映画に出てくる古い歌謡曲が日本人の筆者にも響くのだが、本作も本当にイイ味を出していた。踊るのも好きだが、やはりカラオケ文化が盛んな国なのでボーカルがソウルフル。どうみてもスマートとは言い難い、不器用な大人たちの立ち回りの劇伴にも馴染む。