横浜日劇2階に居を構える私立探偵の濱マイク。マイクは火中の乳児を救出し表彰されてから大忙しとなり、百合子という恋人も出来た上、妹の茜の大学推薦合格も決まり良いことづくめ。百合子は声が出なくマイクはファックスを設置し、デート時はハンドクラップで会話している。街では女性3人が薬物により殺される事件が続いていた。
▶︎『私立探偵濱マイク』シリーズ三部作の完結作はハートボイルドを離れたサイコミステリー。永瀬正敏が二役を演じ、夏川結衣、山口智子、声だけの出演に小日向文世、死体役に杉本彩や喜多川舞らのキャストに以前からの出演者が揃った。ただ前役を踏襲しない出演者も複数いて消化不良な気持ちに。
彩度を低くしたカラー、光の三原色、サブリミナルを使用した映像等やサイコ具合が90年代サブカルを印象付けた作りで、マイクの個人戦だった調査が団体戦となったダサさも好き。
「人が人を救えるか」との引用や、一件落着かと思いきやそこから続く展開に、これぞ林海象らしいボールを投げ方だとスッキリした。この解釈の任せ方の方が林作品に馴染んだファンには自然で、前二作はエンタメに比重を置いた撮り方をしてたと気付かせられる。これも林監督からの「罠」かも知れない。
WOWOWで『私立探偵濱マイク』シリーズを鑑賞出来て良かった。
