あまのうずめ

ムーンライズ・キングダムのあまのうずめのレビュー・感想・評価

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
3.8
1965年、長さ約26キロのニューペンザンス島にあるカーキスカウト隊のキャンプ・アイヴァンホーから隊員のサムが空気銃や備品を盗み脱走する。12歳のサムは里子で両親が他界していたことを隊長のウォードは知らなかった。全隊員にサムを捜索させる。


▶︎孤児で変わり者のサムと、弁護士の両親を持つ問題児のスージーが駆け落ちしたことで島を巻き込み騒動となる物語。

2012年のウェス・アンダーソン監督作でエドワード・ノートン、ブルース・ウィリス、フランシス・マクドーマンド、ビル・マーレイ、ティルダ・スウィントンも出演と豪華キャスト。

何とも可愛らしい逃避行でサムが身に付けたサバイバル知識が生かされるも、すぐに見つかってしまうのも一興だ。思わずクスッとさせられ後味の良い結末も良い。

印象的なのは如何にもウェスらしい色調とそれにあった衣装、そして構図とカメラワークだ。すぐにウェス・アンダーソン作品だと分かる独自性を出すって凄いことだよなぁと改めて思った。

オープニングとエンドロールに入ったオーケストラ楽曲と楽器についてのセリフが、島と登場人物に擬えていた気がしたのは考え過ぎかも知れないものの、何とも意味深な挿入だった。

青いアイシャドウを入れたスージーの眼力の強さにハッとさせられる他、キャスティングだけでも見応えがある。『アステロイド・シティ』と同じくウェスとロマン・コッポラの共同脚本作品。