にんちしょう

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のにんちしょうのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

やっぱり映画ドラえもんだけは泣ける

OPから力入ってて開始5分で体の半分の水分持ってかれた。
今回の映画の見どころは目に見えない「音」をどうやって可視化してアニメーションにするのか、そこに拘っていた。様々なオブジェクトが回転したり伸縮したり、細かいギミックが多かった分、寄りの作画はとても大変だったと思う。しかしその分エフェクトも生き生きとしていてとても見応えがあった。引きの画になった時のCGも、手描きを頑張ってた分全く違和感が無くアニメーターの意地を感じた。
ドラえもん達キャラクターも、いつものアニメとは違う「宝島」や「新恐竜」のようなキャラデザを行うことで崩し易くより活気溢れる動きができていた。かと言って「ドラえもん」の世界から外れるのではなく、しっかりモブキャラもF先生のキャラデザで原作リスペクトを感じられた。
ストーリーに関しては、前半ちょい退屈、後半は怒涛の伏線回収という感じで後半で一気に巻き返していくスタイル。だかその反面前半は伏線を散りばめるためにだろうが少し長く感じた。そして今回のゲストキャラのミッカとちょい役ミーナ。思ったのはミーナがちょい役の割にストーリーにおける役割が大き過ぎるため、視聴者からするともう少し掘り下げて欲しい気持ちはあった。思い出コロンで笛の記憶を見る時も説明なく様々な時代の映像を見せられてのび太達で勝手に理解している感が拭えず、(結局何だったの?)となったまま話が進んでいくのが惜しかった。
今回は全体的に「若干説明不足だけどギリ分かんなくても見れる感じ」が続いていた。しかし話自体はしっかりドラえもんしてて、日常にSFが入り込む展開を継承していたと思う。
個人的に一番感動したのは映画終盤、ミッカがひとパートだけ夢をかなえてドラえもんを口ずさむシーン。本当にこの5年が報われたような気分だった。2019年にアニメの主題歌が変わり、もう小学校低学年には定着してるのでは?ってところに夢をかなえてドラえもん。ほんとにここで全部の感情が崩壊した。ここ最近は映画でOPを聞かないし、夢をかなえてドラえもんなんて尚更聞く機会がない。最近アニメでEDとして復活してたけど、夢をかなえてドラえもんがわさドラで果たした役割って考えられないくらい大きい。今の視聴者層の多くはドラえもんの主題歌といえば「ドラえもん」が浮かぶと思うけど、わさドラの中ではまだ短い方。なんせ夢をかなえては12年もやってたからね。それだけ多くの世代にわさドラの代名詞として名を馳せてきた夢かなだからこそ、音楽をテーマにしたこの映画で使われることに大きな意味があった。本当に使われて良かった。嬉しかった。
この映画の本質は「世界でどんなことがあっても音楽は常に人々の側にいる」ことだと思った。映画の終盤、地球上にいる全ての人間が音を奏でる時に日常のシーンだけじゃなくて戦争に巻き込まれている人や当事者である兵士も写されていて、負の面から目を背けるのではなく、映画を見ている子供にも面と向かってその事実に知って欲しいという教育の面でもかなり深い映画だった。
あと来年は夢幻三剣士のリメイクやるんじゃないかと目論んでる、でも今やるならPG12でしょあんなの