海中列車があるなら乗りたい

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)の海中列車があるなら乗りたいのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

感動のない達成感

「ドレミファソラシ…ノ?」。リコーダーを吹くことが出来なく、どうしても個性的な音になってしまうのび太。練習中に現れた1人の少女との出会いをきっかけに未知の場所へ。どうやら少女のいた星は「ノイズ」という敵に侵食されたらしい。地球もノイズに侵食されそうだと聞くのび太たち。ノイズを倒すには音楽しかない。ノイズとの戦闘に向けてのび太たちはますます一生懸命に音楽の練習をする。
この映画の監督である今井一暁さんの作品は、どれも子どもたちのことを思って作ったもののように感じる。コロナ禍において楽しみを奪われて言った子ども達。今回の作品の主題である「音楽」を通し、自分で物事をやり遂げることの楽しさ、達成感を伝えたかったのではないかと考えた。
しかし、それらを伝えるためにはなにか物足りないとも感じた。一般的に、作品が伝えたいことは物語の登場人物の感情が大きく変化するところ(感動シーン)で描かれる。「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」を例にとってみる。この作品で1番の感動シーンと言えば、のび太が本物と偽物のドラえもんを見極めるところだ。いつも一緒に過ごしているから本物を見つけられるのび太。「友情」の素晴らしさを全面に感じることが出来る作品だった。しかしどうだろう、今回の作品ではそのような感動シーンがない。ただ単に「練習して、演奏できるようになって、敵を倒して、やったー。」と、いう物語となっている。
この作品を見たとき、私は15歳であったが、面白いとは思えなかったがところどころにネタ的要素も散りばめられており、小さい子供が見るぶんには楽しめるものだとも思った。また、音響に関しては非常に良く、綺麗なハーモニーに聞き入ってしまったり、無音のところではとても驚いたりした。「さすが音楽を主題にした映画だな。」と、そこは評価すべき点だと思う。
次回作は期待したい。