Kota

Fair Play/フェアプレーのKotaのレビュー・感想・評価

Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)
3.9
“何故、認める事ができないの。”

ウォール街で株のブローカーとして働くカップル。毎朝4時半に起き出勤する2人は、社内には仕事に支障が出ないように関係を隠していた。2年の交際のあと遂に婚約をするが、その矢先に彼女の方がマネージャーに昇格し、そこから2人の関係は崩れていく。

かなり面白かった。仕事に対する自尊心や会社からの評価は、愛よりも嫉妬を生み出す。プライベートの時間を極限まで削ってまで捧げた仕事は、プライベートすらも飲み込む。体裁だけで保っていた2人の関係が、ボロボロと崩れ落ちていく様は、滑稽であり恐怖。ワンカットの言い合いは“マリッジ・ストーリー”を思い出したほどの迫力。仕事の能力的にフェアな昇進であったのに、性差や結婚という社会性は常にアンフェアを生み出す。
Kota

Kota