Kota

灼熱の魂のKotaのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
3.7
“世の中に背を向けるようにうつ伏せで。”

ヴィルヌーヴ監督が評価されるきっかけの作品も満を辞して。今やSF監督という印象が強いけど、当時はこれでもかというくらい骨太なヒューマンドラマを見事に監督。母親の突然死。残された遺書から始まる、双子の子供達の真実探しの旅。

レバノンという宗教による内戦が続いていた国と時代で、母はどのような人生を送ったのか。現在と過去の2軸で進むストーリーは絶妙なバランスを保ちながら真実を隠し、それが紐解けていく様は美しくも衝撃的に残酷。脚本もさながらこの頃から監督の映像的センスが抜群。荒野や火炎のカラッとした画面は砂の惑星に繋がるものを感じる。
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