冒頭の料理教室から黒沢清映画全開。おそらく中央線が通過するたびに象徴的に入る光、またそれに付随して生じる影。生徒との会話や、料理店の面接、自宅（なんと一戸建て）に帰ってからの妻との会話も普通そうに聞こえるがチグハグ。このつたわらなさは黒沢清映画でたびたび取り上げられるテーマ。45分しかないのでことさら強調され、あっという間に決壊していく。
自死してしまう生徒から何か伝染しているかのように見えるが、家族の様子をみる限り以前から壊れていたのでは？
彼は料理教室で、鏡で、自宅で一体何を見てうろたえ、呆然としたのか。
