☆俺基準スコア:2.1
☆Filmarks基準スコア:3.4
東京・中野…
料理教室講師・松岡は、「チャイムの音がする」と意味不明なことを口走る生徒・田代の死を目撃する。その時から、松岡自身も不思議な音に支配され、やがて行動がエスカレートするように…
「chime」
以下、頭の中がネタバレに置き換わった。
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黒沢清の中編。ホラーなんだけど、いわゆる類型的なホラー演出映画ではありません。我々が「普通」「日常」だと見過ごして・聞き流してきた風景や音が「ちょっと変」と思い始めたらとことん怖くなるという話。本来怖くないものを無理やり怖く感じさせる、恐怖の押し売りみたいな映画でしたね。もし内科外来に田代みたいな人が来たら、すぐにシゾ疑って精神科に紹介状書きますけど、チャイムの幻聴が実は誰もが耳にするもので、誰もがそれに抗って生きているのでは…と妄想したらちょっと怖いですよね。松岡の自分トークも、食卓の雰囲気も、田畑智子の空き缶も、とにかく不気味。血糊とVFXで直接恐怖シーン見せてもその場限りだけど、日常シーンがずっと不気味なのはたまらなかったな。ロジックを考えず、五感で感じ取る作品。好きにはなれないけど、悪くは無い。