正直なところ統合失調症疑似体験映画でしょう。21世紀に入ってからの「サイコホラー」は、前世紀のサイコキラーに殺される怖さから、自身が「サイコ」となってしまうことへの怖さへとシフトしたと思うんですが、その変化が更に解像度高く我々の前に提示された、という趣ですかね。もう黒沢清がそういう試みするってだけでおっかねえ。そしてこうもわけわからんものがやべえ作品として広く受容されてるという現実に感動を禁じ得ない。まだホラー映画のハードコアが死んでないんだよ!
とはいえまじいろいろビビりすぎてあまりにも頭が飛んじゃったので、帰り道の混んだ電車がおっかない、どっから包丁飛んでくるかわかんねえ、アイツ俺のことつけてるんじゃねえか?等の後遺症が出ましたので皆さんも気をつけて下さい。果ては駅の発車チャイムを聞きながら、「ハテ、今のチャイム、いつもより長く鳴っていたような・・・?ということは・・・ハッ!!もしかするとそういう事か!分かった!そうだったんだ!そのチャイムの長さ!」というような劇中の田代さんを地で行く「気づき」を得そうになり、帰るまで大変でした。
無事帰宅しましたが、空き缶が溜まり過ぎているのでどうしよう。