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ボブ・マーリー:ONE LOVEのKeiのレビュー・感想・評価

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
4.0
もはやヒーリングミュージックにも聴こえるボブ・マーリーの曲を映画館で体感できるなんて至極の時間だったけど、どうせならLive映像を作り込みもっと多くの曲を聴きたかったというのが本音ですね。(バッファロー・ソルジャーとか…)

ボブマーリーは精神を鼓舞する曲を数多く歌っているけど、あくまでもラスタファリアンの思想(聖書を聖典とし、菜食主義で聖なる大麻を吸う。エチオピア帝国最後の皇帝を神の化身「ジャー」と仰いでいる)に基づくもので、政治的な意図はなかったが、政治に利用しようとする権力者達に警戒され襲撃事件まで発展してしまう。

傷を負いつつ出演したコンサート後、ロンドンでの歴史的名盤『Exodus』の制作を経て、そのお互い殺し合いも辞さない二大政党の党首を1978年の「ワンラブピースコンサート」ラストの曲、Jamming(皆んな混ざり合おうという曲)で、即興でステージに上げ握手をさせたという、ジャマイカの政治史でも重要なシーンは本当に不屈の精神力という他ない。
命をかけて平和のメッセージを世界に届けたのである。

ワンラブピースコンサートはYouTubeなどでも視聴できるけど、レゲエの神様ボブ・マーリーの伝説をぜひ劇場で鑑賞して欲しい!

『飼い慣らされた精神を解き放つんだ
それができるのは自分自身だけなのだから』

遺作となった「Uprising」の一番最後に収録されたアコースティックギターだけで歌われた曲「Redemption Song」の歌詞。

奴隷船でアフリカからカリブ海の島へ連れてこられた祖先に想いを馳せる曲だが、今の日本で暮らしていても、仕事や世間の慣習に縛られ、自分らしさをなくして流されそうになったりしたときに聴くとハッとさせられますよ。
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