あぶりかんぱち

ボブ・マーリー:ONE LOVEのあぶりかんぱちのレビュー・感想・評価

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
4.3
音楽聴いてる中で『名前だけ知ってるアーティスト』は数多くいて、ボブ・マーリーもその内の1人だったけど、この映画でいい出会いがあったと感じるくらいには惹き込まれました。現に今サントラを聴きながらこの感想を書いてるくらいには。さりげなくオススメしてくれた知人に感謝!

作品としては、母国の政治的な背景に翻弄されながらも、ひとりの表現者であり続けようとする姿がよく描かれているなぁと感じました。特別凝った演出をしなくても、物語の中で自然に組み込まれたり、後ろで流れたりする音楽が全てを代弁してくれる感じ、これは不思議な感覚…

日本語訳がついているからというのもあるかもですが、レゲエ(ボブ・マーリーだけなのか?)って凄く歌詞で物語る音楽なんだなと感じました。リズムはややミドル気味なのに、魂がずっしりと言葉に乗ってる感じというのかな。メッセージは『当時の情勢を嘆いたりするもの』から『人類愛を謳うようなもの』に移り変わっていくように感じたけど、その熱量が凄いな、と。

あとは背景として『ジャーラスタファーライ』っていう根幹的な概念があるのが特徴的かと。音楽としてここの共通認識を持っていることで生まれるシンパシーのようなものが世界でも共鳴するさま、そしてその心が母国の平和に貢献したというストーリーがとても胸熱でした。

ボヘミアン・ラプソディほどの社会現象にはならないだろうけど、観た人の心にきっと残る映画になるだろうとは思います。やはりアーティストとドラマと音楽の組み合わせは強い!この系統の作品は進んで摂取(可能なら映画館で)していきたいところです。満足。
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