相米作品6本目。
これまでで、一番平和であり、
おだやかで、わかりやすく描いた
家族の物語でした。
ごく普通の家庭に、
突然夫の死んだはずの父親が出てきて、
いろいろ起こる騒動を描いています。
父親が出てきてからの方が、
より家族のつながりや濃度が濃くなり、
みんながいきいきしているのが良かったです。
斉藤由貴さんが、ひたすら朴訥だけど
その野暮ったさが魅力的でした。
佐藤浩一さんの安定感、そして
今回の最大の役者は、山崎努さん。
すごいなぁ、不良な父親がこんなに
似合う人はいない気がします。
とっても愛嬌があって、どこか憎めない。
オープニングで出てきた猫の喉鳴らし音が、山崎努さんが出る時に毎回聞こえる。突然現れたり、消えたりする野良猫みたいな存在を表していたのか。
家族というものは、血とか、
戸籍とかだけではない、
また別の形をもつものだと
改めて感じさせられました。