あぶりかんぱち

アントニオ猪木をさがしてのあぶりかんぱちのレビュー・感想・評価

アントニオ猪木をさがして(2023年製作の映画)
3.5
アプローチの仕方は様々でしたが、インタビューのパートからは『あなたにとってアントニオ猪木とは?』という切り口から『アントニオ猪木はどういう人間だったのか?』というところを、「巌流島の戦い」や「猪木問答」といったエピソードからは『アントニオ猪木は何と闘っていたのか?』というところを、そしてアントニオ猪木に熱狂するファンを主人公に置いたドラマパートでは『アントニオ猪木に魅せられた人々』というところを描いた、多面的に『アントニオ猪木』という人物を掘り下げる1本だったと思います。

印象的だったパートは、猪木の側でカメラを向け続けたカメラマン・原悦夫のインタビューパートでしょうか。
作品の半分くらいはこの人のおかげで成り立っていると思える、活き活きとした素晴らしい表情を切り取った写真たち。
一方、作中ではその裏で猪木がリングに上がり続けることへの苦悩や葛藤も語られる。
それを踏まえて写真を見た時に浮かび上がる、アントニオ猪木という人間がどれだけその背中で人々を救ってきたか、そしてリングの外で垣間見える人柄にどれだけ心を動かされたかということ…
写真の説得力って凄いなぁ…。

猪木の全盛期と生まれた時代が被ってないのはもちろん、プロレスすらあまり見たことない身ではありますが、「イノキ・ボンバイエ!」という音楽に自覚無しに胸を熱くしてしまう身としては、彼の生き様を知る良い機会になったと感じました。

割と公開されて早くに行ったけど、オッスな人たちが割合多くて何か良かったです。
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