残された映像、アーカイブもめちゃくちゃあるだろうし、毀誉褒貶ある方なのでいくらでも逸話なんてでてくるだろうに、あくまでも映画の内容を「アントニオ猪木とはなんだったのか」に絞ったのは良かったんじゃないですかね。今この現代、ご本人が亡くなった今「アントニオ猪木」を見つめ直すということなんでしょう。プロレス界の中からではない視点で。猪木信者のための映画だろって思ってたら違いましたね。
「アントニオ猪木をさがして」ってタイトルに間違いのない映画ではあります。ちゃんと探してますもん。いわば「不在」の物語、アントニオ猪木の影響力とは、の映画です。ドラマパートを入れたのもそういう意味では正解です。いや、こういうのいいよ、とかは少し思いましたけど、映画としての問い、テーマを強調するにはいる要素でした。それにより近かった藤原さんや藤波さんたちではなく、棚橋さんやオカダさんなど世代の離れたレスラーさんの言葉のが多めなことも、ガチくさいサブカル寄りの人たちは出てこないところも同じですね。そのギリギリのところで有田さんで、ヤスケンさんで神田伯山さんで、ナレーションが福山さんなんですよね。まあ、巌流島まで伯山さん連れてって「猪木講談」やらせるの「お金かかってるなあ」とは思いましたけど。
人生を振り返るものではないので、プロレス好きの人には多分だけど物足りないんじゃないですかね。
