チャブー

ほかげのチャブーのレビュー・感想・評価

ほかげ(2023年製作の映画)
4.8
塚本晋也監督が描く、静かな反戦映画。
「静かな」と、言うのは、何も訴えていない、と言うことでは無く、静かに深く胸迫る作品ということ。

登場人物たちは、例外なく、心身に傷を負っている。戦火で亡くした、もう会えない親兄弟、妻夫、子供、戦友…決して癒えることのない疵を。

戦後復興の際の日本人の逞しさが、賛美を受けることがあるが、本作は、逞しく生きられなかった人達の慟哭と、敗戦国の惨めさが、胸打つほどに描かれている。

タイトル「ほかげ(shadow of fire)」が意味するものは?
どうして登場人物達に名前がないのか?
どうして途中で色がつくのか?
3発しか使っていない最後の〇〇は何か?
…ほら、ほら、考える余地がてんこ盛り👍

そして、「あーこれ、絶対こうなるよな」と思った通りには進まない、意外性タップリの展開👍👍

「考える楽しみを与えてくれる作品は、間違いなく良作」と、いう自論にピッタシ当てはまる本作は、間違いなく良作です!👍👍👍(俳優陣が超絶最高なのは、書くまでも無い)