チャブー

燃えるドレスを紡いでのチャブーのレビュー・感想・評価

燃えるドレスを紡いで(2023年製作の映画)
4.3
衣食住、と言われる位、人が生きて行く上で、欠かせないもののはずなのに、衣料産業は、石油製品に次ぐ、CO2排出の元凶という現状…

しかも、需要を上回る供給、しかも、先進諸国、特に中◯からの、再生時、分解出来ない、化学繊維混じりの粗悪な服々が行く先が、アフリカ、とは…
誰も着たがらない、欲しがらない服なんて、アフリカの人々だって欲しい訳が無い。

アフリカに限らず、ゴミが、悪臭を撒き散らしながら、延々と燃え続けている山の様な、場所がある国は、世界的に見ると、少なく無い…

自らデザインした服を販売し、利潤を追求する側のデザイナーが、その現実と、自身の経済活動の間に挟まれ、悩みながらも、そして、幾つもの障害を乗り越え(追い込まれても、諦めずに粛々と進める姿、見習いたい)、23年のパリコレに向け、「未来の衣服」に迫る姿は、映画を意識したもの、と言うには余りある、そう容易く真似は出来ない、素晴らしい活動の記録だと思った。

デザイナーが訪れたアフリカの国の、「衣料の墓場」に住む女性が呟く、「あなたの様な外国人は、これまでも沢山来た。その度に、何度となく、自分たちが置かれている、この現状を訴え、話して来た…でも、聞いた人が、何かをしてくれたことは決して無かった」と言う言葉が、とても、胸刺さるものがあった…