オーウェン

ほかげのオーウェンのレビュー・感想・評価

ほかげ(2023年製作の映画)
3.8
朝ドラではきはきした姿を見せていた趣里だが、映画的にはやはりこちらの陰の部分が見える役柄の方が印象が強い。

塚本晋也監督作ということで、冒頭から強烈な描写がある。

正確な時代設定はないが、空襲が起きていることからも戦時中であることをすぐに呑み込ませる。

基本的に役名がなく、居酒屋の女将の基には戦争孤児やっ復員兵などが出入りする日々。
その中で孤児の少年と心を通わせていくが、女は心配でならない毎日。

戦時中の誰も信じられない状態が、こうもあっさりと描かれるものかと。
少年は途中戦争に参加した男と旅を共にするが、そこで生き死にの是非を体験する。

ラストも暗鬱たるものだが、戦時下でこういうことは当たり前なのだろう。
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