ゆずきよ

インビクタス/負けざる者たちのゆずきよのレビュー・感想・評価

4.8
とある事情(後述・昨日のサッカーでは無いです)からスポーツ系の映画を観たかった。
ふと目に止まった映画をチェックしていたら敬愛するクリント・イーストウッド監督、大好きなモーガン・フリーマン主演、ハズレの少ないマッド・デイモン出演。
しかもラグビー。
観る前からわかる。これ好きなやつだ。

物語は、長い間活動家として投獄されていた自国初の黒人大統領が、アパルトヘイトの象徴だったラグビーチームを通して国民の意識を改革しようという内容。
私はあまりスポーツを見ないのですが、ラグビーだけは好き。
格闘技は好きなので、一番格闘技っぽいスポーツだからかな。
南アフリカ代表は、ハカでお馴染みニュージーランド代表、発祥国イングランド代表と並び、強豪国のイメージがあったので冒頭に驚き。
というかモーガン・フリーマンがバチボコ良い人。
勿論、完璧じゃ無いし、問題も抱えているのだけれど、個人的にはこういう人の下で働きたい。
基本的にはスポーツを通した人種差別問題を扱う映画ではあるが、きちんとラグビーにも向き合っている。
スポーツを政治利用するのは?という疑問が最初あって、だけど物語を通してそれだけじゃ無いよなって思いを強く抱いた。
心に響く名台詞の数々。
徐々に手を取り合う国内。
結束を固める人々。
人種云々じゃ無くて、大切なのは一人一人が人間だって事。
エンディングまで最高なのは、これだからイーストウッド監督作品好きなんだよなって、もう完全にツボです。ツボ通り越して土器です。

ここからたまにある圧倒的な余談です。

実は土曜日に娘の初めての総体地区予選がありました(スポーツ系の映画を観たかった理由はこれです)
中学生となり初めての部活。
入学時から経験者だった娘は、それなりに戦力として数えられています。
小学生の時は試合に負ける事の方がどう数えても多く、後から入った子にも年下にも負けまくりでした。
そんな娘が初めて親族以外から期待されて臨む大会。
親に似て練習嫌いの彼女が、これほどまで一つの事に打ち込んだ事はありませんでした。
ノンフィクションだとしても映画やドラマになるのは勝者達。
残念ながら娘が物語の主役になる事は無かったけれど、脇役は脇役なりに精一杯チームに貢献し、娘の学校は団体優勝で次のステージへと駒を進めたのです。
それはもう私達からすれば十分過ぎるほどのサクセスストーリー。
大会はまだ終わっていないですが、どう贔屓目に見ても、かなり難しいのは間違いないとしても、それでも期待をしてしまうのは親だからなのか馬鹿なのか。
宝くじは買わなきゃ当たらない。
努力は報われるとは限らないけど、努力しない限り報われる事はない。
今はただ最高のエンドロールを願うだけです。
ゆずきよ

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