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駆け抜けたら、海。のtakのレビュー・感想・評価

駆け抜けたら、海。(年製作の映画)
3.4
10月最後の日曜日、おおいた自主映画祭に初めて参戦。今回の会場はTOHOシネマズアミュプラザおおいた。シネコンでこうした自主製作映画や短編が上映される機会はなかなかない。各作品の監督さんたちも、大きなシアターで上映されるのが嬉しいとおっしゃっていた。映画友達のお誘いもあって参加。8本の短編を鑑賞した。

いちばん気に入ったのは、銭湯を舞台に女性二人の揺れる心を描いた「駆け抜けたら、海。」女友達二人が閉店時間の迫った銭湯で二人きり。うみは彼氏とうまくいかないとボヤく。みつきはその話を聞かされる。みつきはうみに友情以上の感情を抱いていた。

告白から二人がダンスを始めるワンカットの美しい場面が印象的。脱衣所から出なかったカメラがいつしか、二人の動きを追い始める。ダンスシーンはスムーズに動き続けていたカメラ。みつきが気持ちを爆発させた後、カメラは建物から飛び出して手持ちで走り続ける。彼女の気持ちの昂りがそのまま映像の揺れとして、こちらまで伝わってくる。

そして、何よりも心に残るのは、友情と片思いの間で揺れるみつきの切なさ。どんな恋でも口に出す勇気ってただ事じゃない。アートを感じる素敵な16分。
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