チェンコ

市子のチェンコのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

腑に落ちなさすぎるというか、この気持ち悪さを記録に残しておきたいのでネタバレとしてレビュー。

最大の違和感は、開始10分で訪れるプロポーズシーン。
物語の中身を知らないまま見るならこのままで良かったと思う。
しかし、その中身を知った上で再度、後半にクライマックスとして同じ場面が流れたとき、この演技に対して疑問しかない。
そんな単に「嬉しい」だけの泣きでいいのか。
人生における最大の問題点にブチ当たって、そこ嬉しくて泣けるかな。
嬉しいのはわかる。でも、それだけで済まんでしょ。
杉咲花の演技自体が悪かったわけじゃない。むしろ全体的に良かった。
それだけにこれでOKにしたのが理解に苦しむ。
同じ映像を使わずに、別角度や数秒のズレがある映像を使えばもっとやれたのでは。
役者の演技に対して制作側が答えられていないと思った。

あと、本人らのラストはある程度、観客に投げても良いと思う。
エンドロールの音もあるしね。
ただ、車で海に飛び込んだ男女はなんなの。
投げっぱなしすぎるし、意味不明。
死ぬ意味もない。
新戸籍作ればそれで終わりの話で、犯罪なんもかんも含めて、それを支えてくれる人もいる。
そんな中であの2人はなんのために死ぬの?

あと、市子と母親に対する警察の捜査は?

それと中学の時の彼氏ね。
あいつどうなったの。
北くんをストーカー呼ばわりするためだけに出てきたの?
彼がいたことで、市子自身は「恋愛」に触れずに生きてきたわけじゃなくなる。
身心ともに「愛される」ということを知っていることになる。
その中で長谷川と出会って生活するだけでまるで生まれてこの方触れたことがないような「幸せ」を感じるのか?
話がブレる要素でしかない。

あと、ケーキ屋さんどうなった。
夢だったんじゃないのか。
聞き込みに行ってるくらいだからケーキ屋そのものは残ってるんでしょ。
それなのに市子はなんでそこを飛び出してんのさ。そこの付き合いどうなってんの。
そこから祭りまでの物語もない。
さらに、焼きそばもらったからって突然、見知らぬ男と2人で食べるかな。
市子って1人で祭り行って焼きそば食べるようなキャラなの?
その日、出会ったような男になびくような女なの?
自分はそうだとは思わなかった。
むしろ、ガードが固く、人を寄り付けないタイプだと思う。
話を終わらせるための取ってつけたようなエピソード。

総じて「不幸なんだからとりあえず話になるでしょ。」みたいな安直な発想でまとめられてるような気がして好きになれない映画だった。
役者さんたちはみんな良かったと思う。

演技以外だとエンドロールの背景音で未来を想像させる演出は良かった。
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