せっ

市子のせっのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


守りたい男と助けたい男。

恋人にプロポーズされた翌日に失踪した市子の過去と消えた理由を市子に関わった周囲の視点により描いていく話。

市子の不遇な人生の要因は社会システムとか色々絡まっているとはいえ4割ぐらいは男のせいだと思った。そもそも、戸籍が取れなかったのも恐らく父親のDVのせいだろうし、「助けてやった」を口実に母娘ともに男に縛り付けられている人生。

市子のことを「助けてやった」男が何度も口にする守ってあげるという言葉は市子にとっては攻撃の言葉で、死体遺棄する時に逃げた気持ちが痛いほどわかった。やっと義父から解放されたのに、ここで逃げなければまた縛り付けられる人生が待っている。そりゃ逃げるよ、全速力で逃げるだろう。

だから義則の元から逃げたのも自分の過去がバレるということより、真実を知った義則が自分を助けてくれて過去の男達になるのが怖くて逃げたんじゃないかと思った。自分の人生を何にも縛られずに自由に生きたい、それが市子の本心からの願いで、「助ける」ということは市子を見つけだすことではなく、自由に飛び立たせる手伝いをすることだと(セミを助けてたのと被る)分かった義則、いや若葉竜也、めっちゃ良い男やで( ` -´ )bって謎にエールを送りたくなった(笑)

市子の母が男と口論してた時に「私は1人でも生きていける」と言っていて、経済的には1人で生きるのは難しくても精神的な面で本当にひとりで生きられないのは男の方なんだよねきっと。
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