このレビューはネタバレを含みます
時々ホラーかと思うような暗く不穏な描写がありますが、どこにでもあるような景色があって、親近感とともに、子どもの頃にはあったけど失われてしまった風景のこととかも思い出されて、不思議な気持ちになった。あるようで、もうどこにもないんだな、あの風景、みたいなどうしようもない、行き場もない、なんとも言えない気持ち。どんどん忘れていくけど、決して消えはしない。
市子に同情するけど、なんて説明したらいいのか分からない。正当化できない。僕しか受け止めることはできないといった北君はある意味取り憑かれてしまったと言っても過言ではない。助けたからといって、愛する理由にはならない。
本当のことを知っていることが、その人のことをすべてわかっていることにはならないしなぁ。
やっぱり親の罪がいちばん大きいのでは?と思うけど、、、。
重すぎて悲しすぎて、生きてるだけで苦しいだろうな。それでも幸せな時間があったという事実もあって。
長谷川君よ、幸せになってくれ。やさぐれないで、幸せになってほしい。市子もそう思っているのかな、、、。
追記
ただただ、市子に同情するばかりではいけないと、いまさらながら思います。月子の無念はどこに行けばいいのか?やっぱり何かもやもやする。月子の声が何も聞けなかった。それがあまりにもひどいと思う。